組版基本ルール

組版の基本ルール(句読法・禁則処理)についてまとめました。
あくまでも、基本ルールといっても、
①発注者の方針を尊重しましょう。
②仕事内容と作業性の兼ね合いを検討しましょう。
③処理方法の優先順位をきましょう。
以上のようなことに注意してください。

句読法

1冊の本を通して、句読点やパーレン類の使い方、組み方を統一することが原則です。(発注者の意向による選択)
(1)縦組みでは、テンとマル(、。)を使います。
(2)横組みでは、下記の方法があります。
①本日は、晴天なり。(テン・マル方式)
②本日は,晴天なり。(カンマ・マル方式)
③本日は,晴天なり.(カンマ・ピリオド方式)
数字や欧文が多く含まれるときは、カンマとピリオドが望ましいです。


パーレン類の組み方

(1)原則として前後2分あけます。

(2)長いかぎカッコと短いかぎカッコを混用してはいけません。

(3)起こしまたは受けが重なる場合はベタ組
例:
◯ 「『デザイン』カタログ」
× 「 『デザイン』カタログ」

(4)受けと起こしが続く場合は2分アキが原則
例:
◯ 「早い」「安い」「綺麗」が揃っている。
◯ 「早い」 「安い」 「綺麗」が揃っている。
× 「早い」 「安い」 「綺麗」が揃っている。

(5)受けのパーレン類の前後に句読点がつく場合はベタ組。
例:
◯ 「わたしが一番。」と思っています。
× 「わたしが一番。 」と思っています。

(6)起こしのパーレン類の次、受けのパーレン類の前に記号が続く場合はベタ組。
例:
◯ 「・・・えっ」と思った。
× 「 ・・・えっ 」と思った。

(7)受けのパーレン類の次に記号が続く場合はベタ組。
例:
◯ これは安いかな(どうだろう)? と頭の中をよぎった。
× これは安いかな(どうだろう)? と頭の中をよぎった。


疑問符、感嘆符の組み方

(1)直後に文字が来る場合は全角アキ。
例:
◯ いばらき印刷です! と言いました。
× いばらき印刷です!と言いました。

(2)直後にリーダーやダッシュが来る場合はベタ組。
例:
◯ いばらき印刷です!・・・と言いました。
× いばらき印刷です! ・・・と言いました。

禁則処理

ある特定の約物などが行頭、行末にきたり、または行末と行頭の2行にまたがったりすると組体裁上好ましくありません。このようなことがないように組版作業上調整することを禁則処理といいます。


禁則処理の方法

禁則処理の方法には、一般的に次の3つがあります。
(1)約物のアキをつめて「追い込む」方法。
(2)字間をつめて「追い込む」方法。
(3)字間をあけて「追い出す」方法。
これらの方法を適当に組み合わせて処理しますが、ひとつの仕事の中で処理方法を統一させることが大事です。


禁則処理上の注意

(1)同一行内に約物が多数ある場合は、中黒、パーレン類、テン、カンマ等で詰めて、なるべくマルやピリオドでは詰めないようにします。
(2)同一行内に起こしと受けの約物があるときは、前後のアキが等しくなるようにします。

①行頭禁止文字

句読点類
, 、(読点) 。 .(句点) ・(中黒) : ; ? ! など
つなぎ記号
―(ダッシュ) … →←↑↓ ー(長音) -(ハイフン)など
くり返し記号
ゝ ゞ(ひら仮名) ヽ ヾ(片仮名) 々(漢字の送り)など
受けカッコ類
) 」 〕 } 】など
促音・拗音類
ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ っ ゃ ゅ ょ ゎ ヵ ん
ァ ィ ゥ ェ ォ ッ ャ ュ ョ ヮ ヶ ン

②行末禁止文字

始まりカッコ類
( 「 〔 { 【 など

③分離禁止文字

連数字
1,000円 42.195 km 2000年
平成12年500坪などの2つ以上の数字の重なり
数字についた単位を表す記号類
¥ $ ¢ £ % ℃ @ kg g mg
km m cm mmなど