文字・用紙のサイズ

文字サイズ・用紙サイズについてまとめました。あくまでも、基本ルールといっても、
①発注者の方針を尊重しましょう。
②仕事内容と作業性の兼ね合いを検討しましょう。
③処理方法の優先順位をきましょう。
以上のようなことに注意してください。これが決まりとはならないのです。

文字サイズの単位

組版は、その昔合金でできた活字と言うものを一つ一つ組み合わせていました。いわゆる、活版(かっぱん)と言われるものです。その歴史は、グーテンベルグと教科書では習った記憶があるのですが、じつは印刷の始まりは東アジア・中国が発祥の地だということです。活版においても、グーテンベルグに先立つこと400年程前に(グーテンベルグは1445年ごろ)、すでに中国で活字による印刷が行われていたという記録があり、さらに、朝鮮でも1200年代に金属活字の鍛造ならびに印刷が記録されているそうです。話がちょっとそれましたので本題に戻ります。
欧文組版はインチに基づいた単位「pt = ポイント」が使われています。1ptが1/72inchで、2分割、3分割しやすいところから決められたそうです。和文組版では、写植の普及によりメートル法に基づいた「Q=級数」がつかわれました。1Qは0.25mmで文字の大きさが計算しやすい。しかし、欧米で生まれたDTPは、デフォルトの単位がptになっているソフトがほとんどで、pt(ポイント)が文字サイズ指定の標準といっても良いのではないでしょうか。

用紙の仕上がりサイズ

紙のサイズには、A判・B判のほかに各種原紙サイズがあり、なるべくロスの少ない用紙を選定します。印刷時は、大きな用紙に面付けを行い印刷します。印刷後、断裁機によって仕上がり寸法に仕上げます。
折りの入る印刷物では紙の目を考慮した用紙の選択が必要です。紙の目とは、紙の製造過程でパルプ繊維が網の上を流れる方向によって決まります。この目に添うと折り曲げやすい性質があり、紙の目に直角では折りづらく仕上がりも汚くなります。また、紙の目方向で弾性が異なり、ページのめくりやすさが違います。
全判の紙の長い辺に平行して紙の目があるのをタテ目、短い辺に平行して紙の目があるのをヨコ目といいます。

紙の仕上がり寸法

A版

A0
841mm×1189mm
A1
594mm×841mm
A2
420mm×594mm
A3
297mm×420mm
A4
210mm×297mm
A5
148mm×210mm
A6
105mm×148mm
A7
74mm×105mm
A8
52mm×74mm
A9
37mm×52mm
A10
26mm×37mm

B版

B0
1030mm×1456mm
B1
728mm×1030mm
B2
515mm×728mm
B3
364mm×515mm
B4
257mm×364mm
B5
182mm×257mm
B6
128mm×182mm
B7
91mm×128mm
B8
64mm×91mm
B9
45mm×64mm
B10
32mm×45mm

タテ目
(全判の紙の長い辺に並行して紙目がある)

ヨコ目
(全判の紙の短い辺に並行して紙目がある)

印刷用紙の種類と特徴

印刷用紙には、白色度、平滑度、吸油度、強度、寸法安定性を備えた印刷再現性の高さが求められます。原料には原木のままグラウンドパルプと原木のチップを化学処理して不純物を除いたケミカルパルプを必要に応じて混ぜ合わせます。次に松ヤニや澱粉を加えて滑らかさを出すとともにインキの裏抜けを防ぎます。


上質紙

科学パルプ100%使用の紙の総称。最も標準的な紙。コピー用紙で使用されているかと思います。


アート紙

上質紙に片面約20g/m2の白土の塗工をした最高級紙。平滑で強光沢、印刷光沢、網点再現性に優れ、鮮明な仕上がりを持つ。


ミラーコート紙

アート紙に高圧をかけ印刷効果をあげた強光沢紙。


つや消しアート紙

特殊な塗被により、光沢度を最小に抑えて平滑を保ったアート紙、マットで落ち着いた印刷効果があるが汚れやすいのが欠点。


コート紙

アート紙よりも印刷効果はないがオフセット印刷ではもっともポピュラーな紙。当社のネットではコート90k使用です。


マットコート紙

紙厚があり、やさしい手触り感がある。光沢をおさえ自然な印刷に仕上がる。インクが乾きにくく、後加工時に汚れなどの不具合が生じる場合があるため乾きのお時間をいただくようになります。