チラシを作成するうえでの注意点(前半)

チラシを作成する上で注意したい点をご説明していきたいと思います。当たり前のことを書いてしまうかもしれませんが、気づきと思ってお読み下さい。

更新日:2010/2/24

チラシを作成する上で注意したい点

どうすれば見てもらえるか

「見てもらう」ことを第一に考え、チラシを配布する最大の目的は、目玉商品やサービスなどの情報を一人でも多くの消費者に分かりやすく伝えるということにあります。求める効果は集客力の向上であり、売り上げの獲得にあることは間違いありません。
チラシの効果を高めるには、効果的で人目を引くチラシを作る必要があります。例えば、新聞折込チラシは、週末に集中します。そうしたチラシの多い日に、無個性で目立たないチラシを入れただけでは、多くのチラシの中に埋もれてしまい、消費者の目に触れることなく捨てられてしまう恐れがあります。チラシを見てもらえないことには売り上げにはつながらず、チラシを配る意味がありません。チラシ作りでは、まず「消費者に見てもらえるチラシとは何か」を考えることから始めなければなりません。


どうすれば目にとまるか

新聞の折込やポスティングなどで、家庭には大量のチラシが入ります。多くの人はまずそれらにパラパラと目を通し、興味のわいたチラシは改めてじっくりと読むことになるでしょう。この大量のチラシにパラパラと目を通す時間は、ほんの数秒です。消費者がチラシをじっくりと読むか捨ててしまうかは、非常に短い時間にかかっているのです。
消費者がチラシに興味を示すケースを考えると、まず「欲しい商品が掲載されている」場合があります。例えば、住宅の購入を検討している人ならば、不動産のチラシには日ごろから注意しているはずですし、子供が受験を控えているのなら塾のチラシに自然と目が留まることになるでしょう。また、よく利用する店舗のチラシもチェックすることが多いものです。このような、目的意識を持ってチラシと接している消費者は、チラシの対象としては比較的アピールしやすいといえます。重要なのは、何となくチラシをめくっている人を、いかにしてチラシの内容に引き込むかという点なのです。
目を引かれるチラシの条件として、アイキャッチが鮮烈であるという点が挙げられます。そのためには、・大見出しに同業他社と同じ言葉は使わない・大見出しの下に写真やイラストを配置して目を引くなど、とにかくひと目見ただけでじっくり読みたくなるようなデザインを心がけることがポイントとなります。また、いくら目立つデザインであっても、ごちゃごちゃと乱雑な印象を与えてはいけません。まず目を引き、それをじっくりと読んでもらうためには、読みやすく、きれいなデザインであることが大切です。そのためには、
・分類を明確にして見やすくする
・イラストや写真を入れて見た目を楽しくする
などを心掛けるとよいでしょう。
また、店長や従業員の顔写真・似顔絵などを入れることも、親近感を感じさせるチラシにつながり、効果的です。


大見出しの決め方

大見出しはチラシの印象を左右する重要な要素です。大見出しは大きく、
・価格訴求型
・季節連動型
・イベント型
に分けられます。具体的には、価格訴求型は「全品半額!」「卵1パック50円!」など、季節連動型は「冬物処分市」「決算謝恩セール」など、イベント型は「ベッド大処分セール」「アイデアグッズ大集合!」などが挙げられます。また、季節連動型とイベント型を合わせた「入学・入園応援セール」など、それぞれのタイプが複合した大見出しもあるでしょう。また、すべてに共通する見出しとして、「見てください!」「店長の一大決心!」などの注意を引くためのメッセージを盛り込むことは有効です。
上記の中で、最も消費者への訴求力が大きいのは価格訴求型です。安さのアピールは、チラシの最大の武器になるといえるでしょう。しかし、安さを売りにする場合に注意しなければならないのが「本当に安いのか?」という点です。いくらチラシで安さをうたっても、競合店のチラシと比較して安くなければ、消費者は逆にチラシに対して失望と反感を覚えるかもしれないのです。
そうした事態を防ぐため、少なくとも商圏が重なる近隣の競合店のチラシに関しては、掲載商品とその価格を調べておく必要があります。また、平日の買い物は近所で済ませ、週末には車で大型店に買い物に行くという消費者もいます。そのため、多少距離が離れていたとしても、大型店のチラシについても調べておいたほうがよいでしょう。


目玉商品を設定する

チラシの目的は集客にあります。そのためにどうしても欠かせないのが目玉商品の設定です。目玉商品を目当てに集まった消費者がほかの商品にも財布のヒモを緩めてくれれば、売り上げにつながるのです。
以前は、多少品物は悪くとも価格さえ安ければ目玉商品となった時代もありました。しかし、今の時代は消費者の商品に対する要求水準が高くなっています。「安かろう、悪かろう」では、目玉商品としてアピールできないばかりか、企業としての信頼を損なう可能性もあります。例えば食品の場合、消費者が商品を選択する基準は価格以外にも産地、農薬使用の有無、大きさ、鮮度などさまざまなものがあります。消費者が商品を購入する際には、こうした多くの基準から判断し、購入するか否かを決断しているといえるでしょう。消費者は、自分が考えるその商品の価値に対する対価として、価格を判断しているのです。
これは、逆にいえば多少価格は高くとも目玉商品は作れるということでもあります。 例えば、「新潟県魚沼産のコシヒカリ」や「丹波産の松茸」というように、一種のブランドとなっている商品や、流通量が少なく手に入れることが困難な商品があります。こうした商品は付加価値が高く、競合店が同様の商品を扱っていない場合はそれだけで目玉商品となりえます。また、競合店が同様の商品を扱っている場合でも、これらの商品を競合店より安い価格で提供すれば、十分に目玉商品となりえます。
なお、価格の安さをアピールするときには、ただ安いというだけでは、「品質が悪いのではないか」という不安を与える可能性もあります。「赤字覚悟の大サービス!」「メーカー協賛価格」「ちょっと傷物商品につき大特価」など、安さに納得できる理由をつけると消費者の安心感が増すことにつながります。